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クリスマスの短編モノより

​*自分で編集するためSE指定等かなり省いておりますが、実際に納品する場合は分かりやすく指定致します。

 

アー:アーロン/未来人
クリ:クリスティン/現代人


機械「時空嵐発生まで、あと、二分」

アー「はあ……2014年。そんなに悪い時代じゃなかったな。ロックフェラーセンターのクリスマスツリーも変わりないし……悪くなかった……」

クリ「アーロン!」

アー「!」

クリ「アーロン!」

アー「クリスティン……! どうして、なんでここに……」

クリ「これ……!」

アー「それは、君のネックレス……」

クリ「これは、母の形見なの。とっても、とっても、大切なもので……!」

アー「大切なものなら、なんで俺にくれるんだ」

クリ「預けるの! あげるんじゃない、貴方に預けるの! 必ず返して。……未来で返して」

アー「……一緒にクリスマス、祝えなかったな」

クリ「次があるわ」

機械「時空嵐発生まで、あと、一分」(こっからカウントダウン入る)

アー「!」

クリ「アーロン……」

アー「帰りたくない……君と一緒に、この時代に生きられたら……!」

クリ「私だってそうして欲しい、でも……!? アーロン、貴方、体が消えてる……!」

アー「行かなきゃ、時間がない」

クリ「時間を旅してるくせに」

アー「クリスティン、必ず君を見つけ出す」

クリ「貴方の時代じゃ、私は88歳のしわくちゃよ」

アー「必ず見つける。待っててくれるか」

クリ「ええ、63年なんて、あっという間だわ」

アー「(小さく笑う)」

クリ「アーロン……!」

アー「見つけるよ、約束する!」

クリ「ええ、待ってるから、貴方を待ってる!」

アー「クリスティン、愛してる!」(←かきけしorアウト)

クリ「……。待ってるわ」


63年後
(チャイム)
クリ「! 誰かしら……。イブのこんな時間に……(チャイム)はいはい、今開けますよ。なんの御用?」

アー「こんばんは、奥さん」

クリ「!」

アー「お届け物です」

クリ「そのネックレス……!」

アー「必ず君を見つけ出すって言っただろ」

クリ「……来るのが遅いわよ。今何時だと思ってるの?」

アー「もしかして、ディナーは他の家族が全部食べちゃったかな」

クリ「いいえ。家族は居ないわ。結婚してないの」

アー「……俺には一瞬の事でも、君には、途方もなく長かったな。待たせてごめん」

クリ「フフ、言ったとおり、しわくちゃでしょ」

アー「変わらないよ」

クリ「変わらないのはあなたよ、アーロン。あの時はお互い同じ年だけど、今じゃ私はおばあさん。貴方はハンサムな青年よ。ネックレスをありがとう。家に帰りなさい」

アー「クリスティン!」

クリ「そうだ、あの日言いそびれたわね、メリークリスマス、アーロン。貴方の幸せを祈ってるわ」

 

アー「俺も、あの日言いそびれた事がある。君に伝えるのに63年もかかったけど……愛してる」

クリ「!」

アー「君も俺も変わらない。時間が奪うのは表面だけだ、しわの下に居る君は、あの日と何も変わりない」

 

クリ「アーロン……」

アー「クリスマス、一緒に祝うって約束したろう。さあ」

 

クリ「馬鹿ねえ、貴方。相変わらず」

 

二人「(笑う)」

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