どこかのアリスの日記

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５１

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涙の池に泳ぎに行って、帰ってこれなくなると困るからパン屑を撒く。
逃げ出せる足を自分で折るの、例えばの趣味のように！
彼ったらまた馬鹿笑いしているし私は大泣きしているしで忙しい。蝉を食べて明日に備えるのだ。
遠慮を失った盲目のおばあさんのスープが私の喉を焼く頃には、きっと眠れるようになるはずだ。
だって小さな雷は弱々しすぎてお話にならないしおばあさんにもならないのだから。
証明されたプリンに毒を盛って殺されたいと私がゲラゲラ笑うと、彼は泣いていると言ってきた。お節介焼きめ。
焼くならやきもちか家にするべきなのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

５２

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男の人の膝にすがりついて、あることないこと言いまくる。
お話が止まらないの、女の子が死ぬまでは。私が椅子を蹴って空を飛ぶ話をすると男の人は笑って、夫人の帽子のコレクションについて蘊蓄を並べると難しい顔をする。
「彼はありえないほどよく君の話を聞いている」と彼。「本当に」と私。
「つまりありえないのさ」と彼がにたあと笑うから私が彼を叩くと、男の人は難しい顔をした。
私はまた膝にすがりついたまま宙を凝視してお話を続ける。瞬きの仕方を忘れたのだ。
私がキャロルアンが最期に言った言葉と彼女の家族のヴァンパイアがどれほど悲しんだか、忘れる森で大蜘蛛とどう戦ったか話ていると男の人は笑ってちょとごめんと何処かへ行ってしまった。
私は三角吸いが恋しくなった。腰を揺すって途方にくれる。
あの人白衣を着ていたの。
「万事不調」と彼が笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

５３

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明日私を知らない人が私を知らない人にするらしい。 
忘れなきゃいけないのかしらと思うと戸惑うけれど、必然は嘆く必要性を孕んでいない。だってお馬鹿なシシーが電気プラグを飲みこんだのも、あの子の選択だもの。 
自殺会議が開かれるのは次の木曜日だそう。 
おめかしするのかお目仮死するのか、でも菓子の方が百倍素敵！ 
シシーの話は後だ、だって最初はアランと決まっているから。 
「誰を殺してきたんだ」と彼が聞く。久しぶりにこんな言葉を使った私はぽつねんとナイフを片手に瞬きしてる。目が死んでしまったの。 
「私、誰も殺してないわ」と私。「その血はなんだい」と彼。 
「血なんか無いわよお馬鹿さん。赤なんて汚くて熱いじゃない」 
彼は少し目を丸くして、ぐるぐる唸りながらら笑った。「何時になく不安定だな」 
ならば七時に朝の紅茶だ。それで満足なのだろう。 
これだけの事にたっぷり時間をかけたなんて自己嫌悪を突き刺していると、彼はざらざらした舌で足を舐めてきた。なんて痛い舌！ 
「君がおれをもっとちゃんと愛してくれれば良いのに」と彼が言うから「嫌よ、気持ち悪い！」と私が叫んだ。彼は笑った。 
周りのドワーフたちは疲れきった顔をしている。蓮の葉っぱは大きすぎるから良くない。 
脳味噌が腐ってるんだと彼が指摘したけれど、私の鼻はチーズの臭いで精いっぱいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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５４

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体が腐って使い物にならなくなるのが早まる匂い。
でも頬を這うのは蛆虫じゃなくてナメクジみたい。てらてら輝く這った後で縄跳びしましょ。
飛べる空が見える度に旅にでる私は多分勝手が良くないのだけど、それが楽しいなら薬もいらない気分！
崖から飛べる！