11/23 第二十五回文学フリマ東京レポ
第二十五回文学フリマ東京に参加した皆様、お疲れ様でした。
当日は雨と言う生憎な天気で、特にサークル側は搬入時に色々対策をしなければならず大変だったことと思います。
て言うか大変でした。とても大変でした。
~入場前~
当Ghost Lunchは当日の朝二時半に執念でコピー本を脱稿させると言う、なかなかロックな事態に陥っておりました。
結局睡眠時間は一時間半程しか取れませんでしたが、逆にハイになっていたのかそこそこ元気に出発。なんならおニューの長靴履いて気分はウキウキです。
しかし駅について階段を上り始めた途端、持ち上げなければいけない手搬入の本の重みに二秒で痛みだすわき腹。悲鳴をあげる足腰。はじけ飛びそうな二の腕。おいおい、いくら気持ちは元気でも、体は正直だなああああ? 貧弱野郎がいくら空元気を振り絞ったところで、筋力が増すわけではありません。
地元から一歩も出る事無くいきなり参加の危機に陥りましたが、根性でどうにか電車に乗り一息。
このまま向かえばかなり余裕のある時間……なのですが。
そうです、脱稿した原稿は製本しなければいけないのです。
と言う訳で、まずは秋葉原に移動。こんな朝っぱらから秋葉原に向かうのなんて初めてで、人気のない大都市の寒々とした薄暗さに不安になりながら目的の秋葉原製作所さんへ。こちらの、折り綴じまでやってくれる複合機に全てを託す算段でした。
ですが、ここで再び京谷に危機が訪れます。
迷子です。
一回利用させて頂いた事がある店舗なのに、迷子です。
重いカートを引きずりながら、水たまりだらけのアスファルトを髪を振り乱して必死に歩く姿は、現代の都市伝説に出てくる化け物に見えたかもしれません。
なんなら履きなれてない長靴のせいで足が限界を迎えようとしています。普段ぺったんこしか履かないのにヒールのある靴なんて履いたものだから、私の右足の土踏まずが消滅しかけているのです。
畜生、こんな時に限って! 私の中のジョン・マクレーンが弱音を吐き出します。彼のマシンガンの弾はつきかけです。
右手に重いカート、左手に傘。携帯で地図を確認するにはいちいち立ち止まらないとならない。みるみる消費していく時間。まだ余裕があったのに、そろそろリミットが見えてきています。
朝っぱらから最高に自業自得な事で最高にイライラしながらようやく見つけ出した店舗に駆け込み、コピ本の制作をお願いしました。これでどうにか……と、思ったらちょっと混んでる。どうやら私のようなロックな人達が他にもいらっしゃるようです。少なくてもバンド組める程度の人はいました。他の方はコミティア組だったようで、表紙からかなり面白そうな本を隣で確認してらっしゃって、叶うならその場で買わせてほしかった……。
他にお客さんがそこそこ居たので、予定より若干時間を食いつつコピ本の準備、そしてスペースに貼るポスターの準備完了。駅まで(今度は迷わず)早足で戻ります。土踏まずの呼吸が弱まりますが、彼には耐えてもらいます。
秋葉原から浜松町、そしてモノレールに乗り換え。この時点で50分に間に合わないと思い、ツイッターで遅刻の旨を呟きました。恐らくちょうど一般参加の方と同時に入る位になるだろうと。
ただ、まだ希望がありました。電車を降りてから三分以内に会場の入り口につけるのであれば、ギリギリ間に合うのです。とは言え、いくら”徒歩一分”と書いてあっても流石に無理があるのは明白。そんな改札の目の前に建物がある訳ないんだから。そう、半ば諦めモードで流通センターで降りました。
目の前でした。
目の前と言う単語を本当に目の前と言う意味で使用するのにこの上ないほどの実例として挙げられるくらい、目の前にありました。徒歩一分の騒ぎじゃありません。二十秒です。ちっか。我が目を疑いました。ちっっっか。
しかしここで三度目のトラブル。入口が分からない。すぐ右手に写真でも見た事のある第二展示場の入り口があり、明らかにそこが会場なのは見て取れます。でももしかして、何も書いてなかったけど、サークル参加者は別の所から入るのではないかと、今まで他のイベントで培った経験が騒ぎ出しました。
と、左の方にカッパを着た明らかにスタッフっぽい人が立っています。どう見ても案内をしています。
私はお兄さんに駆け寄り、「サークルの入場は向こうですか?」とその奥の建物の入り口を指差しました。何故ならそこに吸い込まれていくカートを引いたお姉さんがいっぱいいたからです。お兄さんは良い笑顔で「はい!」と答えてくれました。私はお礼を言って大急ぎで入口に向かいました。
しかし、何かがおかしい。入り口横にかかげてある看板に、「スタジオYOU」のロゴ。そしてその上に数えきれない、オンリーっぽいロゴ。待て、これはどう見ても二次創作のイベントだ。
やばい、間違えてる。
気づいた瞬間大急ぎでとって返し、先ほど見た第二展示場の方まで走りました。
お兄さんが不思議そうに私を見ていました。優しいお兄さん、私が勝手に間違えたとは言え、貴方はミミックでした。
辺りを必死に探りながら第二展示場の入り口前を横切って行くと、有りました、サークル参加者用の入り口!
そしてなんと、11:46分と言う阿呆みたいなギリギリの時間、まさかの間に合いました! NOT遅刻! 私NOT遅刻者!
余談ですが、前の人に続いて気配を殺しながら入場したせいで、エブリスタのバッグを差し出されずもらい損ねました。次回は気配を殺しませんので、どうぞ見つけてください。
~イベント中~
どうにか間に合い、装飾と言う概念をどこかへ忘れて来たような死ぬほどシンプルな(殺風景な)設営を済ませた途端、イベントが開始されました。
うーん、この
公民館にあるみんなのチラシ置場感が凄い。ここまでセンスのなさを爆発的にアピールすると、いっそ味になったりしないでしょうか。
マジでレイアウト勉強します。マジで。
さて、設営後は急いで見本誌を二階の見本誌コーナーに置き、戻って来てようやく全てが終了。
心のライフは満タンなのに、既に体は終わりを迎えようとしていましたが、とにかくここからが本番です。
初めての文学フリマでしたが、最初の感想は「人が少ないな」でした。開始前から並んでらっしゃる方もいらっしゃいましたが、やはり雨だからなのでしょうか。しかし会場はこの上なく和気藹々。この言葉を使うと語弊があるかもしれないのですが良い意味での”身内感”が強く、二次創作のイベントにあるようなギラつきがなく、非常にのんびりまったりと和やかな雰囲気でした。素晴らしい。
ただ、雨が上がった後からは人数も増え、時間と共に収束する事はなくどの時間帯でも一定数新しく入ってくると言う感じでした。
年齢層は大学生くらいから高齢者の方まで本当に幅広く、一般参加の方も基本的にそれくらいの年齢でした。若い子はほぼ見なかった。
痛感したのがフリーペーパーの重要性でした。私は、声をかけるのもかけられるのも嫌いと言うひねくれ大魔神だったので、道行く人々には意地でも「こんにちは」と「どうぞ」以外は地蔵と化していたのですが、こっちを見てる方にフリーペーパーを「これ、どうぞ」と差し出せると言うのは凄い強みだなあと。そうすると話しかけやすくなりますし、後で戻って来てくれる事もあるようで、次回は是非作っていきたいと思いました。
初参加のディスプレイから負のオーラが漂っているような当スペースでしたが、有り難い事に購入してくださった方が何名かいらっしゃって嬉しい限りでした。携帯片手にスペースナンバーを確認しながらまっすぐ向かってきてくれた方や、中身を読んでから買ってくださった方、ふあーっと吸い寄せられるようにやってきてふあーっと買っていってくださった方、色んな方がいらっしゃって面白いですね。極度の人見知りなので、立ち読みしてくださっている最中はどこを見たら良いか分からず、ひたすら視線を泳がせまくっていたのでかなり読みづらかったかと思います。すいません、違うんです、読んで下さるだけでとても嬉しいんです、威圧してる訳ではないんです。
~やべえ差し入れ~
そして今回、とんでもない事が起こりました。
自慢です。自慢させて。自慢せずにいられるだろうか!
知り合いの方がスペースに来て差し入れをくださったのですが
「ドラキュラと三人の花嫁」をイメージした
オーダーメイドのアイシングクッキー
あまりの出来事に手が震え半泣きになる京谷。信じられない事態に陥り、アマゾンの奥地に生息する幻の猿のような雄叫びをあげる事しか出来ない。(騒いですみませんでした)
見てください。
タイトル!
ハンターの十字架!
みんなのお家!
ベラの棺!
夜空を飛ぶ二匹のコウモリ!
(ベラとクリストファーなの!? ドラキュラ兄弟なの!? ホアアアア!)
ケイトが泣きながら着るウェディングドレス!
子供達のクマのぬいぐるみ!
本当に本当に、心から有難うございました!
絶対に割るまいと家に帰るまで細心の注意を払う私は、まるで子供を守る母熊でした。
無事に持ち帰れて良かった。
賞味期限ギリギリまで観賞しながら、ちょっとずつ食べて行くんだ……!
~と言う訳で~
最高の差し入れを頂いた歓びで頭をぶっ飛ばしつつ、とても楽しいイベントでした。
色々改善点も見えましたし、とにかくディスプレイと言う物を学ぶべきだと痛感。精進します。
次回も是非参加したいと思います。
改善点
・フリーペーパー作る
・ディスプレイ凝る
・交流もした方がいい
・当日の脱稿はしない
・慣れない靴は履かない
・お兄さんに惑わされない
・宣伝ももう少しした方がいい
・目印あると分かりやすいかも
以上、レポートになってないレポート終わります。
今回手に取って頂いた方々、本当に有難うございました。少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
参加した、サークルの方々、一般の方々、お疲れ様でした!